Japanische Klassiker mit Furigana
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まいひめ
舞姫
Lesen Sie 舞姫 (まいひめ) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.190 Zeichen · 33 Bildschirme
余はわが身の今の世に雄飛すべき政治家になるにもよろしからず、またよく法典を諳じて獄を断ずる法律家になるにもふさわしからざるを悟りたりと思いぬ。余はひそかに思うよう、わが母は余を活きたる辞書となさんとし、わが官長は余を活きたる法律となさんとやしけん。辞書たらんはなお堪うべけれど、法律たらんは忍ぶべからず。今までは瑣々たる問題にも、きわめて丁寧にいらえしつる余が、このころより官長に寄する書にはしきりに法制の細目にかかずろうべきにあらぬを論じて、ひとたび法の精神をだに得たらんには、紛々たる万事は破竹のごとくなるべしなどと広言しつ。また大学にては法科の講筵をよそにして、歴史文学に心を寄せ、ようやく蔗を嚼む境に入りぬ。
官長はもと心のままに用いるべき器械をこそ作らんとしたりけめ。独立の思想をいだきて、人なみならぬ面もちしたる男をいかでか喜ぶべき。危うきは余が当時の地位なりけり。されどこれのみにては、なおわが地位を覆すに足らざりけんを、日ごろ伯林の留学生のうちにて、ある勢力ある一群れと余との間に、おもしろからぬ関係ありて、かの人々は余を猜疑し、またついに余を讒誣するに至りぬ。