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Japanische Klassiker mit Furigana

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あくたがわのげんこう

芥川の原稿

室生 犀星

Lesen Sie 芥川の原稿 (あくたがわのげんこう) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.159 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

断る方も、断られずにいられないふうが次第に見え、何とかして一枚でも書かそうという気合が、この温厚な若い雑誌記者の眉がぴりぴりふるえた。こんな取引の烈しさを初めて傍聴したが、私はまだ小説を書かなかったから、流行作家というものの腰の弱さと、えらそうな様子に舌を捲いていた。恰度、私自身もひそかに小説を毎日稽古をするように、三、四枚あて書いている時だったので、芥川と雑誌記者の押問答に、芥川という作家がどんなに雑誌にたいせつな人であるかを、眼のまえにながめたのである。こんな頑固な断り方が出来るという自信が、私には空恐ろしかった。しかも、芥川の断り方は余裕があって、らくに断っていて心の底からまいっているとか、遠慮しているとかいうところがなく、堂々としてやっていた。

実際どんなに忙しくても、雑誌記者の訪問をうけると、その日の芥川のように高飛車に断われるものではない、断るにも、どこか謝まるような語調を含めるのが礼儀であった。芥川は旭日的な声名があったし、雑誌には、その二枚三枚の小説でも、巻末を飾るためのはればれしさを持っていたから、この雑誌記者の苦慮がおもいやられた。