Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなとひとのはなし

花と人の話

小川 未明

Lesen Sie 花と人の話 (はなとひとのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.600 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

真紅なアネモネが、花屋の店に並べられてありました。同じ土から生まれ出た、この花は、いわば兄弟ともいうようなものでありました。そして、大空からもれる春の日の光を受けていましたが、いつまでもひとところに、いっしょにいられる身の上ではなかったのです。

やがて、たがいにはなればなれになって、別れてしまわなければならなかった。そして、たがいの身の上を知ることもなく、永久にふたたびあうことは、おそらくなかったのであります。甲のアネモネの鉢は、赤い色の素焼きでした。乙のアネモネの植わっている鉢も、やはり同じ色をしていました。丙のアネモネの鉢は、黒い色の素焼きでありました。この三つの鉢は並んでいました。そして、あたりは静かであって、ただ、遠い街の角を曲がる荷車のわだちの音が、夢のように流れて聞こえてくるばかりであります。

このとき、甲のアネモネは、

「いまにも、だれかきて、私たちを買っていってしまうかもしれない。なんと私たちは、はかない運命でしょう。私は、あの黒い、広い、圃がなつかしい。昔、みんなして、あの圃の中に生まれて顔を出したあの時分が、いちばん楽しかったと思います。