Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとにんげんのはなし
花と人間の話
小川 未明
Lesen Sie 花と人間の話 (はなとにんげんのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.756 Zeichen · 8 Bildschirme
おじいさんは、来年の春になるのを待ったのです。ついに、その春がきました。すると、常夏の芽は、ぐんぐんと大きくなりました。はじめは、細い枝が、二本しかなかったのが、たちまちのうちに、三本になり、四本となり、細かな葉がたくさんついたのであります。そして、夏のはじめのころには、真紅な花が、いくつも咲きました。
「おばあさん、こんなに、常夏がよくなった。」と、おじいさんは、いいながら、水をやって、常夏の鉢を店さきに飾っておきました。
しかし、これほどの常夏は、ほかにいくらでもありました。まだ、たいしてりっぱな常夏ということができません。
ちょうが、どこからか飛んできて、花の上へとまりました。最初は、それは、おじいさんの目を喜ばしましたのですけれど、ちょうがたくさんの卵を産んでいって、あとから、青い裸虫が無数に孵化して、柔らかな芽や、葉を食べることを知りますと、おじいさんは、葉についた虫を取ってやったり、また、ちょうが飛んできて止まろうとするのを追ったりして、それは、人の知らぬ苦心をして、花をいたわってやったのであります。
こうして、おじいさんのひと通りでない骨おりによって、常夏は、ますますみごとに生長をいたしました。