Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとにんげんのはなし
花と人間の話
小川 未明
Lesen Sie 花と人間の話 (はなとにんげんのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.756 Zeichen · 8 Bildschirme
三年めには、それは、ほんとうに、みごとな常夏になりました。店さきに置いてあったのを通りすがりの人が振り向いてゆくようになりました。
「なんというりっぱな常夏だろう。」
と、前を通る人が、いってゆきました。
家の内にいて、おじいさんは、これを聞くと得意でありました。
「そうとも、私が、子供を育てるように、大事にして、大きくしたのだったもの。」と、おじいさんは、たばこをすいながら、独りごとをしました。
その翌年には、ますます常夏は、みごとになりました。茎は太く木のようになり、小さな技は、幾筋となく鉢のまわりに垂れ下がって、そのどんな小さな芽さきにも、かわいらしいつぼみがついたのであります。
もう、こんなにみごとな常夏は、そう世間にたくさんあるものでありませんでした。人々が、この花を見て、いろいろいってほめるのを聞くと、おじいさんは、まるで、自分の子供がほめられるように、うれしがりました。
「この常夏は、私の家の宝だ。」
と、おじいさんは笑いながらいったのです。
なるほど、この貧しい店さきを見まわしても、この美しい、いきいきとした赤い花の鉢よりほかに、目をひくようなものはありませんでした。