Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなふぶき

花ふぶき

豊島 与志雄

Lesen Sie 花ふぶき (はなふぶき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.409 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

「おい仲本、君もまあ一杯やれよ。」

古賀さんは機嫌がいいようだった。大した会社でもないらしいがその社長で、商工省の何かの囑託をしてる彼は、機嫌のよい時には、チョッキの胸ポケットに親指をつっこむ癖がある。今もその癖を出しながら、千代とおかしな問答をしてるのだ。

「千代ちゃん、」と彼は親しそうにいう。「千代ちゃんは、雀と燕と、どっちが好きかね。」

「雀が好き。」と千代は答える。

「それじゃあ、雀と烏と、どっちが好きかね。」

「雀が好き。」と千代は答える。

「それじゃあ、雀と鳩と、どっちが好きかね。」

「雀が好き。」と千代は答える。

「それじゃあ、こんどは、雀と鳶と、どっちが好きかね。」

「雀が好き。」と千代は答える。

「そんなら、雀と鶴と、どっちが好きかね。」

「雀が好き。」と千代は答える。

それで問答はとぎれた。古賀さんは嘉代さんの方へ乗り出して声を低めて言った。声を低めても、相当に酔ってるから、おれにまで聞える。

「はっきりしていますね。はっきりしているけど、偏執ですね。それだけだから、なおりますよ。」

おれは赤木をつっついて、コップで酒をあおってやった。何もかも、そうだ何もかも、忌々しいのだ。