Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなふぶき
花ふぶき
豊島 与志雄
Lesen Sie 花ふぶき (はなふぶき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.409 Zeichen · 20 Bildschirme
古賀さんは、天ぷらの一切れを口に入れた。鯖の切身をちょっとごまかして、下等なピーナツオイルで揚げたものだ。なにしろ素人料理なのだ。それから古賀さんは酒を飲んだ。短髪の大きな顔をにこにこさしている。
「千代ちゃん、叔母さんと叔父さんと、どっちが好きかね。」
叔母さん叔父さんは、赤木夫婦のことだ。――千代は、すました顔で、返事をしない。
「それでは、叔母さんと仲本さんと、どっちが好きかね。」
千代はすました顔で、返事をしない。
「あんまりいじめちゃ、可哀そうだ。」
おれは思わず言ってしまった。
古賀さんは、きっとおれの方を見たが、すぐに笑った。
「そうだ。判断力がないからね。然し、このぶんならなおるよ。病院でゆっくり治療さしてやりましょう。」
誰も黙っていた。時たって頓狂に、赤木が言った。
「そうして頂きましょうか。ねえ仲本、それがいいね。」
「いいかも知れませんね。」とおれは機械的に答えた。
それよりも、おれは、先程からの嘉代さんの様子に気を惹かれていた。――嘉代さんはじっと伏目がちに、横額をぴりぴりさしていた。実際に動いてるわけではないが、その緊張が見えるようなんだ。