Japanische Klassiker mit Furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lesen Sie 花も刀も (はなもかたなも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.364 Zeichen · 178 Bildschirme
だが、口ではなにも云わなかったし、幹太郎の話を終りまで聞くと、表情をやわらげ、千葉道場を訪ねることにも賛成した。
「国もとへは知らせないほうがいいと思う」と、平八は云った、「また、その金も持っているほうがいいだろう、かやさんからの手紙では、どうやら無事にやっておられるようだ」
「妹から手紙があったのか」
「ようすを知りたいので、私からときどき問い合せるんだ」と、平八は眩しそうな眼をした、「つい四五日まえにも返事をもらったのだが、いままでの送金でやってゆける、と書いてあったよ」
「おれのほうへはなんの便りもない」
「それは私が注意したからだろう、もう少しおちつくまでは、手紙を出さないほうがよかろう、相談があったら私に云って来るようにと、このまえ江戸から帰るときに念を押しておいたんだ」
幹太郎は暫く平八を見ていて、「そうか」
と、云いながら眼を伏せた。
「国のことまで、心配をかけていたんだな、済まない」
「よしてくれ」平八は手を振って、「じつは、私にも、話したいことがあるんだが」
と云いかけ、だがすぐ思い返したように、いやまだいい、あとのことにしようと云った。
幹太郎はかくべつ気にもせず、夕食を共にしてから彼と別れた。