Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

Lesen Sie 花も刀も (はなもかたなも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.364 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

「しかし、勝敗は常にあります」

「私の流儀にはない」と、周作は云った、「刀法がおのれを守り、敵を討つ手段だったのは過去のことだ、戦場は云うまでもなく、敵を討ち倒すなら、鉄炮のほうが早いし確実だ、平手の技がどんなに神妙でも、鉄炮の弾丸に勝つことはできない、そうではないか」

深喜はまた頭を垂れた。

「私の流儀は不退転の精神を躰得することにある、生死に惑わず、大事に処して過たない金剛心、それを会得することが目的なのだ、口で云うのは易いが、私は稽古のなかから感知してもらいたかった、繰り返して云う、勝敗に拘泥するな、技は末節にすぎない、この二条をよく思案して修行するがいい」

そして周作は「さがってよい」といった。

――本当にそうだろうか。

深喜は自分で反問した。

刀法はどこまでも刀法であり、勝負があれば『勝つ』ほうがいい。生死に惑わず、大事に処して過たない金剛心などというものは、刀法の修行でなくとも得られる。禅家の修行などは、もっと直接にそのことに向けられているのではないか。

――精神的な求道や、勝敗を度外視した刀法などというものこそ、むしろ剣の本道からそれたものではないだろうか。