Japanische Klassiker mit Furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lesen Sie 花も刀も (はなもかたなも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.364 Zeichen · 178 Bildschirme
そして、気づいたときには、この六畳に寝かされていた。
それから七日、彼は高熱と下痢が続いて、起きることができなかった。
初めの五日間は、女が付きっきりで看護をしてくれた。一昨日から熱だけはさがったので、女は夕方から稼ぎに出はじめたが、下痢のほうは相変らずだし、食慾も殆んどなかった。
女の名はお豊、年は十七歳で『魚菊』のかよい女中をしているという。夕方から出ていって夜半に帰る。酒の匂いをさせ、折詰などを持って帰るので、かよい女中といっても、小料理のほうで客の相手をするのだろう。十七という年にしては、吃驚するほど伝法な、崩れたところがあるかと思うと、なにも知らない子供のように、あけっ放しで無邪気なところもあった。
お豊はやがて起きあがり、夜具を片づけたり、雨戸をあけたりした。
――どうしよう。
幹太郎は惘然と思いあぐねた。
もう七日も世話になっている。見も知らぬ娘一人の家に、いつまで厄介になっているわけにはいかない。だが、此処を出ていってどうするか、旅籠町の『山源』へゆくという手はある。それが残された唯一の道だが、こんな状態で秋田平八に会いたくはない。