Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなび
花火
Lesen Sie 花火 (はなび) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.233 Zeichen · 29 Bildschirme
やがて廊下に、どたばた足音がして、
「や、図星なり、図星なり。」勝治の大きな声が聞えた。ひどく酔っているらしい。「白状すれば、妹には非ず。恋人なり。」まずい冗談である。
節子は、あさましく思った。このまま帰ろうかと思った。
ランニングシャツにパンツという姿で、女中の肩にしなだれかかりながら勝治は玄関にあらわれた。
「よう、わが恋人。逢いたかった。いざ、まず。いざ、まず。」
なんという不器用な、しつっこいお芝居なんだろう。節子は顔を赤くして、そうして仕方なしに笑った。靴を脱ぎながら、堪えられぬ迄に悲しかった。こんどもまた、兄に、だまされてしまったのではなかろうかと、ふと思った。
けれども二人ならんで廊下を歩きながら、
「持って来たか。」と小声で言われて、すぐに、れいの紙幣を手渡した。
「一枚か。」兇暴な表情に変った。
「ええ。」声を出して泣きたくなった。
「仕様がねえ。」太い溜息をついて、「ま、なんとかしよう。節子、きょうはゆっくりして行けよ。泊って行ってもいいぜ。淋しいんだ。」
勝治の部屋は、それこそ杯盤狼藉だった。隅に男がひとりいた。節子は立ちすくんだ。
「メッチェンの来訪です。