Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかきひのせっつのかみ

若き日の摂津守

山本 周五郎

Lesen Sie 若き日の摂津守 (わかきひのせっつのかみ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.437 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

「御本心をおあかし下さい」民部は掛け声をあげ、右へ位置を変えながら云った、「どうなさるおつもりですか、事をお始めになるのはいつのことですか」

光辰はけげんそうに民部を見た。

「お槍がさがります」と民部は注意をし、高く掛け声をあげて、さらに右へまわりこみながら囁いた、「私はお側へあがって以来ずっと、殿のごようすを拝見してまいりました、そしていつかはその御仮面をぬいで、事をお始めになるにちがいないと信じておりました」

光辰は当惑したように民部の顔を見まもり、民部は大喝して突をいれた。光辰は危うく身を躱し、槍を横一文字にして、次の突に備えた。民部は「構えが違う」と云い、光辰をぐいぐいと片隅へ圧迫していった。

「突をおいれ下さい」と民部が囁いた。

光辰は突をいれた。民部は大きく左へひらき、それからまた間を詰めた。

「このたびのお国入りには、なにごとかあそばすと思っていました」と民部は云った、「先日の遠乗りに、殿が御乗馬をそらせられたとき、私はすぐにそれと気づき、他の者たちと別れるなり伊部村へまいりました、殿が伊部村の小屋へおたちよりになったことを、私は存じております」