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Japanische Klassiker mit Furigana

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きのこのまいひめ

茸の舞姫

泉 鏡花

Lesen Sie 茸の舞姫 (きのこのまいひめ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.906 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

社殿の雪洞も早や影の届かぬ、暗夜の中に顕れたのが、やや屈みなりに腰を捻って、その百日紅の梢を覗いた、霧に朦朧と火が映って、ほんのりと薄紅の射したのは、そこに焚落した篝火の残余である。

この明で、白い襟、烏帽子の紐の縹色なのがほのかに見える。渋紙した顔に黒痘痕、塵を飛ばしたようで、尖がった目の光、髪はげ、眉薄く、頬骨の張った、その顔容を見ないでも、夜露ばかり雨のないのに、その高足駄の音で分る、本田摂理と申す、この宮の社司で……草履か高足駄の他は、下駄を穿かないお神官。

小児が社殿に遊ぶ時、摺違って通っても、じろりと一睨みをくれるばかり。威あって容易く口を利かぬ。それを可恐くは思わぬが、この社司の一子に、時丸と云うのがあって、おなじ悪戯盛であるから、ある時、大勢が軍ごっこの、番に当って、一子時丸が馬になった、叱! 騎った奴がある。……で、廻廊を這った。

大喝一声、太鼓の皮の裂けた音して、

「無礼もの!」

社務所を虎のごとく猛然として顕れたのは摂理の大人で。

「動!」と喚くと、一子時丸の襟首を、長袖のまま引掴み、壇を倒に引落し、ずるずると広前を、石の大鉢の許に掴み去って、いきなり衣帯を剥いで裸にすると、天窓から柄杓で浴びせた。