Japanische Klassiker mit Furigana
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たけをたずねる
茸をたずねる
飯田 蛇笏
Lesen Sie 茸をたずねる (たけをたずねる) von 飯田 蛇笏 (いいだだこつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.193 Zeichen · 15 Bildschirme
絶頂に近くなるにしたがって汗が背を湿すようになる。絶頂と眼ざしたところへ登って行くと案外にも其処は絶頂ではなく、猶幾多のそそりたった峰が左右の空へ連なっていたりする。ともかくも芝草を敷いて休憩することにする。傍らに兎の糞がある。兎の糞は私の山登りする事のなかに見出さるる最も興味をそそるものの一つである。多くは軟かな芝草が茂った中に、数十粒清浄な形影を示してまとまっている。見る眼にものの糞というような感じは更に起らない。小鳥の卵を数多く集めたもののようにも見える。私は、少年の頃屋後の山に遊んで、この兎の糞を見出してものめずらしげにこれを眺めたが、遂に二三粒ずつ拾い取って掌に乗せ、更に親しみの情をそそいだ。そうして結局全部を一つ一つ綺麗に拾い集めて家に持ち帰ったことを今だに覚えている。そうした少年の頃の思い出も、この兎の糞に接するごとにそそられるのである。汗が何時の間にかひき去って背が少し冷々するようになる。あたりの草びらに山風が極めて穏かにおとずれて静寂の微動を見せている。と思うと、遥かの渓底にあたって大木の倒れた響が聞えることなどがある。樵夫が材木を取るのである。