Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
出会えば傍へ外れ、遣過ごして背後を参る。が、しばしば見返る者あれば、煩わしさに隠れ終せぬ、見て驚くは其奴の罪じゃ。
いかに客僧、まだ拙者を疑わるるか。」
と莞爾として、客僧の坊主頭を、やがて天井から瞰下しつつ、
「かくてもなお、我等がこの宇宙の間に罷在るを怪まるるか。うむ、疑いにられたな。いたその瞳も、直ちに瞬く。
およそ天下に、夜を一目も寝ぬはあっても、瞬をせぬ人間は決してあるまい。悪左衛門をはじめ夥間一統、すなわちその人間の瞬く間を世界とする――瞬くという一秒時には、日輪の光によって、御身等が顔容、衣服の一切、睫毛までも写し取らせて、御身等その生命の終る後、幾百年にも活けるがごとく伝えらるる長い時間のあるを知るか。石と樹と相打って、火をほとばしらすも瞬く間、またその消ゆるも瞬く間、銃丸の人を貫くも瞬く間だ。
すべて一たびただ一人の瞬きする間に、水も流れ、風も吹く、木の葉も青し、日も赤い。天下に何一つ消え失するものは無うして、ただその瞬間、その瞬く者にのみ消え失すると知らば、我等が世にあることを怪むまい。」
と悠然として打頷き、
「そこでじゃ、客僧。