Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
胴中の縄が弛んで、天窓が地へ擦れ擦れに、倒になっておりますそうな。こりゃもっともじゃ、のう、たっての苦悩。
酒が上って、醒めずにいたりゃ本望だんべい、俺ら手が利かねえだに、もうちっとだ辛抱せろ、とぐらぐらと揺り出しますと、死ぬる、死ぬる、助け船引と火を吹きそうに喚いた、とのう。
この中ではござりませぬ、」
と姥は葭簀の外を見て、
「廂の蔭じゃったげにござります。浪が届きませぬばかり。低い三日月様を、漆見たような高い髷からはずさっせえまして、真白なのを顔に当てて、団扇が衣服を掛けたげな、影の涼しい、姿の長い、裾の薄蒼い、悚然とするほど美しらしいお人が一方。
すらすら道端へ出さっせての、
(…………)
爺どのを呼留めて、これは罪人か――と問わしつけえよ。
食物も代物も、新しい買物じゃ。縁起でもない事の。罪人を上積みにしてどうしべい、これこれでござる。と云うと、可哀相に苦しかろう、と団扇を取って、薄い羽のように、一文字に、横に口へ啣えさしった。
その時は、爺どのの方へ背を向けて、顔をこう斜っかいに、」
と法師から打背く、と俤のその薄月の、婦人の風情を思遣ればか、葦簀をはずれた日のかげりに、姥の頸が白かった。