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Japanische Klassiker mit Furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

「その怪しいものの方でも、手をかえ、品をかえ、怯かす。――何かその……畳がひとりでに持上りますそうでありますが、まったくでございますかな。」

熟と視て聞くと、また俯向いて、

「ですから、お話しも極りが悪い、取留めのない事だと申すんです。」

「ははあ、」

と胸を引いて、僧は寛いだ状に打笑い、

「あるいはそうであろうかにも思いましたよ。では、ただ村のものが可い加減な百物語。その実、嘘説なのでございますので?」

「いいえ、それは事実です。畳は上りますとも。貴僧、今にも動くかも分りません。」

「ええ!や、それは、」

と思わず、膝を辷らした手で、はたはたと圧えると、爪も立ちそうにない上床の固い事。

「これが、動くでございますか。」

「ですから、取留めのない事ではありませんか。」

と静に云うと、黙って、ややあって瞬して、

「さよう、余り取留めなくもないようでございます。すると、坐っているものはいかがな儀に相成りましょうか。」

「騒がないで、熟としていさえすれば、何事もありません。動くと申して、別に倒に立って、裏返しになるというんじゃないのですから、」

「いかにも、まともにそれじゃ、人間が縁の下へ投込まれる事になりますものな。