Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こんにゃくぼん

菎蒻本

泉 鏡花

Lesen Sie 菎蒻本 (こんにゃくぼん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.957 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「さては電車路を突切ったな。そのまま引返せば可いものを、何の気で渡った知らん。」

と真になって打傾く。

「車夫、車夫ッて、私をお呼びなさりながら、横なぐれにおいでなさいました。」

「……夢中だ。よっぽどまいったらしい。素敵に長い、ぐらぐらする橋を渡るんだと思ったっけ。ああ、酔った。しかし可い心持だ。」とぐったり俯向く。

「旦那、旦那、さあ、もう召して下さい、……串戯じゃない。」

と半分呟いて、石に置いた看板を、ト乗掛って、ひょいと取る。

鼻の前を、その燈が、暗がりにスーッと上ると、ハッ嚔、酔漢は、細い箍の嵌った、どんより黄色な魂を、口から抜出されたように、ぽかんと仰向けに目を明けた。

「ああ、待ったり。」

「燃えます、旦那、提灯を乱暴しちゃ不可ません。」

「貸しなよ、もう一服吸附けるんだ。」

「燐寸を上げまさあね。」

「味が違います……酔覚めの煙草は蝋燭の火で喫むと極ったもんだ。……だが……心意気があるなら、鼻紙を引裂いて、行燈の火を燃して取って、長羅宇でつけてくれるか。」

と中腰に立って、煙管を突込む、雁首が、ぼっと大きく映ったが、吸取るように、ばったりと紙になる。