Japanische Klassiker mit Furigana
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こんにゃくぼん
菎蒻本
泉 鏡花
Lesen Sie 菎蒻本 (こんにゃくぼん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.957 Zeichen · 30 Bildschirme
――水天宮様のだ、人形町の――
と申したでございます。電車の方角で、フト思い付きました。銀座には地蔵様もございますが、一言で、誰も分るのをと思いましてな。ええ。……」
とじろじろと四辺をす。
欣八は同じように、きょろきょろと頭を振る。
九
「お聞き下さい。」
と痩せた膝を痛そうに、延一は居直って、
「かねて噂を聞いたから、おいらんの土産にしようと思って、水天宮様の御蝋の燃えさしを頂いて来たんだよ、と申しますと、端然と居坐を直して、そのふっくりした乳房へ響くまで、身に染みて、鳩尾へはっと呼吸を引いて、
――まあ、嬉しい――
とちゃんと取って、蝋燭を頂くと、さもその尊さに、生際の曇った白い額から、品物は輝いて後光が射すように思われる、と申すものは、婦の気の入れ方でございまして。
どうでございましょう。これが直き近所の車夫の看板から、今しがた煙草を吸って、酒粘りの唾を吐いた火の着いていたやつじゃございますまいか。
なんぼでも、そうまで真になって嬉しがられては、灰吹を叩いて、舌を出すわけには参りません。
実は、とその趣を陳べて、堪忍しな、出来心だ。