Japanische Klassiker mit Furigana
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なのはな
菜の花
小島 烏水
Lesen Sie 菜の花 (なのはな) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.009 Zeichen · 4 Bildschirme
のを、ぼんやり眺めていてもいいのであるが、それではあまりサッパリし過ぎるから、春ならば先ず私は、何を置いても、そこに菜の花を観たい。
春の花の中でも、私はなぜか、梅や桜や、董だの蒲公英だのよりも、その他の何よりも、菜の花に執着を持つ、少年の時代から、この花が好きで、野外遠足は、菜の花の多そうなところを選んで歩いたものだ、今でも春の景色と云うと、菜の花のそれが眼に浮ぶ、菜の畑の中に跼んで、虻のブンブン呻るのを聴きながら、本を読んだり、所謂「空想」に耽ったりしたこともある(その時分は至ってセンチメンタルな気分を悦んだものだ、今でもとかく脱け切らないが)、東海道藤沢の松並木の間から、菜の花の上に泛ぶ富士山を、おもしろい模様画に見立てて、富士山と菜の花の配合などを考えたことがある、中にも私の好む菜の花の場所は、相模大山の麓、今は烟草の産地として名高い秦野付近で、到るところ黄の波を列ねていた――併し此頃往って見たら、それも大方桑畑などに変って、今じゃあ夢になった、近頃は不思議なほど、菜の花が郊外から影を隠した、物価も租税も高くなって、菜種の油などを、搾っていては、割に合わぬから、もっと金の儲かる