Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なのはな

菜の花

小島 烏水

Lesen Sie 菜の花 (なのはな) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.009 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

のが堪まらなくいい。

併しながら「亡び行く生物」の中に、この菜の花が、次第に加わるのではなかろうか、それとも都落ちの仲間に入って、次第に我等の付近から、影を隠してしまうのではあるまいか、場末の旅籠屋などで、食膳の漬け菜の中から、菜の花の蕾が交って出ることがあるが、偶然だけに、どんなにか私を悦ばすことだろう。

私の机上には、有り合せの玻璃瓶に、菜の花が投げ込んである、これは弟に捜させて、採って来たものである、天鵞絨のように、手障りの柔らかな青い葉が、互い違いになって、柱のような茎を取りまいて居る、此柱の頭から、莟みが花傘なりに簇がって、蛹虫の甲羅のように、小さく青く円くなっている。莟みの集団の下から、房になった黄色い四弁花が、いま電燈の蒼い光にきらびやかに匂っている、茎は一皮下には、青い血が通っているのではないかと思われるほど透き通って、有らゆる春の緑の中で、最も練り抜かれた緑である、見つめていると、早春の名残といったような淡い哀愁に加えて、物の末期の惨酷を思わせる姿である。

それにしても、我家の庭に、菜の花の畠が欲しい。