Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

――阿難、お前よく考えなきゃ。仁科六郎は今の状態をつづけていることに満足なのかも知れないけど、あの人には妻があるのよ――

――何を云つても駄目だわ、阿難は、既にレールの上を走っているのよ。ブレーキは持っていない。――

――じゃあ、南原杉子の行先は何処? ――

――阿難が、南原杉子をひきずって走ってゆくのよ。でも、阿難の行先もわかってはいない。目を閉じて走っているんだわ――

――あの人と、結婚出来ないのよ。いつかは……――

――云わないで。――

――阿難。私は恋をしている阿難を愛しているのよ。でも、でも、みじめになっちゃいや。みじめになる位なら……――

――いえ、出来ない。阿難は走ってゆく。どこまでも――

六

カレワラに、アネモネが一ぱい活き活きといけられてあった。南原杉子が、花屋におくりとどけさせたものである。

「おまえに花が贈られるとはね。どうも、おくった人の感覚を疑いたくなるよ」

「云ったわね、一度、会わせてあげるわ」

「素晴しい人だというけど、女なんてものは大方どれもおなじだよ」

「おんなじだったら、いい加減に浮気もあきたでしょう」

「大方同じだが、大方でないところを発見するのが面白いんだね、時にお前の方はどうだい?」