Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme
のぶちゃんは私の家に来ると、まず茶の間の長火鉢のそばにいる祖母の許に出精簿のようなものを差し出して、稽古がすむとまた茶の間に寄って祖母の手から判を捺した出精簿をもらって帰る。これはのぶちゃんが時々稽古をなまけることがあるので、のぶちゃんに限って実施していたことで、私が夏休みに大川の水練場へ通ったときに毎日出精簿に判を捺してもらったところから祖母が思いついたのである。六畳の蔵座敷が母が針仕事などをするところで、そこに私の机も置いてあった。のぶちゃんが稽古をすませて蔵から出てきたときに、偶々そこに私が居合わせば、きっと机のそばにきた。
「清ちゃん。なにを読んでいるの?」
私が読んでいる『少年世界』を見せると、
「あたしもこんどの午の日(吉原の縁日)に『少女世界』を買うの。」
「午の日で売っているのは月遅れだよ。」
「でも新しいのは買えないんですもの、清ちゃん、こんどの午の日には一緒に行きましょうね。」
「うん。」と上の空で返事をすると、それでも嬉しそうに、
「ああ、もう帰ろう。遊んでいると御隠居さんに叱られるから。あたし明日から太十をお稽古するのよ。」
のぶちゃんがそばにいるときはうるさく思うこともあったけれど、去られると物足りない気がした。