Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「あ、そうか。ごめんね。」

「ううん。いいの。」

それでものぶちゃんはなんだかしょんぼりしているように見えた。

「またはじめさんと喧嘩したんだろ。」

「うそよ。兄さんはきょう浅草へ活動を見に行ったわ。」

「のぶちゃんはどうして行かなかったの?」

「あたし行きたくなかったの。清ちゃんはきょうはお稽古に行かないの?」

「うん。日曜には行かないんだ。」

「あら、そうね。忘れてたわ。」

私はのぶちゃんと話しているうちに、さいぜん越春さんの話を聞いたときのいやな気持を忘れてきた。

「ねえ、のぶちゃん。二人でどこかへ行こうか?」

「え?」

のぶちゃんはびっくりした顔をした。

「上野の山へ行こうか?」

私の誘いの意味がわかったので、のぶちゃんは嬉しそうにうなずいた。私はまえに実さんやはじめさんなどと、鶯谷から上野の山を抜けて道灌山まで遊びに行ったことがある。かえりには日暮里から三河島を通って帰ってきた。

「あ、そうだ、向島へ行こう。白鬚橋を渡って。」

のぶちゃんも不安と期待に眼を輝かせたが、ちょっと躊躇うように、

「いまから行くの?」

私たちはともどもに角海老の大時計を振り仰いで見た。