Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

十二時を廻っている。私はまだ昼御飯を食べていなかったが、いったん家へ帰って出直す気にはならなかった。のぶちゃんもおなかがすかないと云った。行くにしても家に無断でなければ気がすまない。私は云い出したときからその気であった。いそいそと同意したのぶちゃんを私はいつになく可憐に思った。

五十間の通りで小ふじさんがおかよさんという朋輩と連れ立って来るのに行き逢った。

「おや、おそろいでどこへ行くの? 今戸公園?」

「違うよ。内緒だよ。」

「内緒? いやだわね。まだ肩上げもとれない癖して、二人で駈落ちなんかしちゃだめよ。」

小ふじさんはおかよさんをかえりみて笑った。

山谷から橋場に出た。その日は好く晴れていたので、白鬚橋の上からは遠くに筑波山が見えた。私たちは川風に吹かれながら橋の欄干にもたれて、鐘ヶ淵の方からきた蒸気船が小松島の発着所に着いてまた言問の方へ向かって動き出すまで見ていた。私が夏泳ぎに行く水練場の在る処はこの少し上流で、千住の鉄橋の近くであった。その頃白鬚橋を渡るのには橋銭をとられた。向島側の橋の袂に関所のような小屋があって、そこで橋銭を徴集した。回数券なども発行していたようである。