Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme
私は生れつき引っ込み思案な性分なので、独りでいる方が勝手なのである。たまに人とお喋りをすると、こなれの悪い食物を食った後のように、しばらくは気色が悪い。『退屈して困る』ということをよく聞くが、私の日常などは凡そ退屈なものであるが、けれども私はそれだからといって、べつに困りはしない。私にとっては、退屈は困るというようなものではない。私にとっては『退屈』は気心の合った友達のようなもので、私は誰と共にいるよりも、『退屈』と共にいて、無聊を託っている方がいい。いわば私は退屈を楽しんでいるのである。思うに、徒然というものも、幸福感の一種なのかも知れない。」
ところで、メリーと共に暮らすようになってから、私の日常も多少あらたまってきた。私は無聊を託ってばかりもいられなくなった。まず私はこれまでのように朝寝坊が出来なくなった。メリーのために朝飯の支度をしなければならないので。私は自分の躯が寝床から、こんなにも思い切りよく離れられるものとは、思っていなかった。また早起きの味がこんなにも爽快なものとは知らなかった。焜炉に火をおこし、メリーと自分のために野菜を煮るのだが、私の心はまるで幼妻のそれのようにいそいそしているのだ。