Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

おきぬが不器量だということと、あまり身なりをかまわないことが、嘉吉にそんな想像をさせたのかも知れなかった。

嘉吉はおきぬの乾いた髪の毛や荒れた指さきに目をとめて、

「おきぬさんは、かまわないんだねえ。」

「だって、かまっているひまなんかないんですもの。それに、わたしみたいなおかめがかまったってしょうがないですわ。」

そういうおきぬの目色には、流石にその年頃の娘らしいはにかみが見られた。

寝ついてから八日目に嘉吉はようやく恢復した。躯から熱がすっかり去ると共に、またこの日頃の心のしこりも取れたような気がした。嘉吉は久し振りに心の張りを取り戻した。嘉吉はまた働きに出るようになった。

四五日して、おきぬが留守のときに、嘉吉はおかみさんに云った。

「おきぬさんにお礼をしたいんだけれど、どうかしら?」

「かまいませんよ。そんな改まってお礼なんて。」

「それでも、心ばかりでも。」

そう云いながら嘉吉は椿油の壜を出して、

「おかみさん。こんなものをおきぬさんにあげては可笑しいかね。若しよかったら、おかみさんからあげてくれないか。」

こういうことは如才なさからも出来ることである。