Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

ねえ、占いやさん、なんて云って?」

「なんだ、みていたのか。人が悪いな。子供は四人まで出来るってさ。」

「まあ。山田さんにおかみさんがあるように思ったのね。」

「いや、女房をもらえばって話さ。」

「おかみさんが欲しくなったので、占いをしてもらったんでしょ。」

「そんなわけじゃないよ。」

おきぬの悪戯な質問に嘉吉は好人物らしく狼狽した。

嘉吉に家庭を持ちたいという気持がないわけではなかった。けれども、それほど強い要求があるわけでもなかった。若しも両親が生きていたなら、これまで独りではいられなかったろうが。いつぞやおかみさんに、おきぬに贈る椿油の壜を託したあとで、嘉吉はなんだか余計なことをしたような気がした。おきぬが気を悪くしないだろうかと思ったりした。けれどもあくる日、顔を合わせたときに、おきぬはわざと改まった口調に親しみを籠めて云った。

「結構なものをどうも有難う。」

そのおきぬの嬉しそうにしている顔を見て、嘉吉も嬉しかった。その日仕事をしながら嘉吉は、若し自分にそのために働くところの妻子があったとしたならと、そんなことを独り者らしく空想した。

嘉吉が占いに見てもらったのは、きょうが二度目であった。