Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

「しかし、芭蕉だって怪しかったのだぜ。」

「なにが怪しいんです? 芭蕉に妾でもあったのですか?」

「そうなんだ。山蔭に身を養わん瓜畠、この句を怪しいと睨んでいる人があるんだよ。芭蕉なんて、あれで相当ちゃっかりした爺さんだから、何処か山蔭の食糧豊富なところに色女でも隠匿していたのじゃないかね。瓜つくる君があれなと夕涼み、なんてそらっとぼけているじゃないか。きざだよ。まるで面皰つらの文学青年のよみそうな句だ。」

「あら、いいじゃないですか。」

「いいて何が?」

「その芭蕉の瓜の句。抒情的ですわ。」

「ちぇッ、自分だって満更じゃなさそうじゃないか。ついでに、もう一つ披露してあげよう、朝にも夕にもつかず瓜の花。」

「まあ、芭蕉の瓜の句はみな句の姿が涼しい気がしますわ。」

「藤村先生みたいなことを云っちゃいけない。しかし君も僕の妾宅論には強硬に反対を唱えたけれど、君だって恋人と二人きりかなんかで、何処かの山里に隠棲して、瓜の花などを眺めている生活は悪くない気がするんだろ。」

「いいえ、私は自分の身にはどんな想像もしませんけれど、芭蕉にそういう句があったことは、なにか床しい気がして。