Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

僕が甲府にいた時遊びにきて葡萄酒を呑んだのだが、実にあわれなことになっちゃったんだ。半分泣声で『太宰さん、神は在りますか?』って云うんだ。僕はまじめに『僕は在ると思う。若し神が無かったら、僕達が人知れずした悪事は誰が見ているのだ。』と叱咤して、『神は帳面を持っていて、その神の帳面には、僕達がした人には知れない悪事も善事もみんな記録してあるのだ。』と云ったら、ますますべそをかいて、『僕はどうも畳の上じゃ死ねないらしい。首でもくくることになるんでしょう。』と云うんだ。これには僕も少からず驚かされてね、家へ帰ってから、『まあ少し横になれ。』と云って枕をあてがってやったのだが、一眠りしたと思ったら、まるで瘧の落ちた病人よろしく、ケロリとしたもので、『僕の会社に可愛い女の子がいるんですが、その子が僕の前にお茶を持ってくる時にはいつもポッと頬を紅くするんですが、これは僕にとって、吉でしょうか? それとも凶でしょうか?』なんて、にやにや笑いながら、そんなのろけじみたことを云い出すんだ。人を馬鹿にしてるじゃないか。僕はそれからは小山とは余り酒を呑まないことにしているんだ。