Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

中へ入って私達はその女芸人が舞台でやるのを見た。「さっきのねえさんですよ。」としづやが私におしえた。私も覚えていた。女芸人が懐中電灯を掌にして踊りのようなことをしたのを覚えている。しづやは木魚を敲いて阿呆陀羅経の真似をするのが巧かったそうである。暮れがたの町中で、しづやに被負りながら、その阿呆陀経を聞いたような記憶がある。私の玩具の中には、黒ずんだ色の手頃の大きさの木魚が一つあって、かなり後まで残っていた。摂津大掾は私の父を可愛がり、私も家に連れてゆかれて、摂津大掾の膝に抱かれて、摂津大掾がてずからむしってくれた魚を食べたことがあるそうである。私の幼い記憶には、そのときの膳の上の魚の白身の印象が眼に残っていた。少し覚束ない気もされるが、後になってその話を聞いてから、私がつくりあげたイメージではないようだ。住んでいた家のことは、殆ど記憶にない。ただその家が通りに面して格子窓のある家であったのを覚えている。窓の外を牛乳売りが通りかかったのを聞きつけて、買ってくれと母にせがみ、宥められてもききわけがなくて、仕方なく母が買ってくれた牛乳を一口飲んで吐出してしまったことがあったのである。