Japanische Klassiker mit Furigana
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かつしかすなご
葛飾砂子
泉 鏡花
Lesen Sie 葛飾砂子 (かつしかすなご) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.677 Zeichen · 37 Bildschirme
になった。
扱帯の下を氷で冷すばかりの容体を、新造が枕頭に取詰めて、このくらいなことで半日でも客を断るということがありますか、死んだ浮舟なんざ、手拭で汗を拭く度に肉が殺げて目に見えて手足が細くなった、それさえ我儘をさしちゃあおきませなんだ、貴女は御全盛のお庇に、と小刀針で自分が使う新造にまでかかることを言われながら、これにはまた立替えさしたのが、控帳についてるので、悔しい口も返されない。
という中にも、随分気の確な女、むずかしく謂えば意志が強いという質で、泣かないが蒼くなる風だったそうだから、辛抱はするようなものの、手元が詰るに従うて謂うまじき無心の一つもいうようになると、さあ鰌は遁る、鰻は辷る、お玉杓子は吃驚する。
河岸は不漁で、香のある鯛なんざ、廓までは廻らぬから、次第々々に隙にはなる、融通は利かず、寒くはなる、また暑くはなる、年紀は取る、手拭は染めねばならず、夜具の皮は買わねばならず、裏は天地で間に合っても、裲襠の色は変えねばならず、茶は切れる、時計は留る、小間物屋は朝から来る、朋輩は落籍のがある、内証では小児が死ぬ、書記の内へ水がつく、幇間がはな会をやる、相撲が近所で興行する、それ目録だわ、つかいものだ、見舞だと、つきあいの雑用を取るだけでも、痛む腹のいいわけは出来ない仕誼。