Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あし

葦

山本 周五郎

Lesen Sie 葦 (あし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.406 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

二年間を回想して、彼はいま索漠たる虚無の感に圧倒される、それは深酒のあとの精神衰弱に似ている、ちからのない絶望感と、疲労と、自己厭悪、忿りも悲しみもない、それがむしろ彼をおどろかせる。……さしこんでいた日光が窓の外へ去り、涼風が立った、彼はおもくるしい不健康な眠りにおちていった。

午後になって千神市蔵が訪ねて来た。半刻ほど話して去ったが、その僅かな時間が二年間の友情の空白を填めた、女のことには一言も触れなかった、はたし合いのことなどはまるで無かったような感じだった。

「久しぶりでいちどゆっくり飲もう」

帰るとき市蔵はそう云った。中二日おいて、松尾という老女と弥生という妹を伴れて市蔵が来た。酒や肴の材料や道具などが運ばれて、松尾と弥生が厨におりた。そのうち旧友たちが五人やって来た、むろん市蔵の計らいである、みんなきのう別れたばかりのように隔てのない、うちとけた態度だった。宴が終ってから、市蔵はしばらく老女を置いてゆこうと云った。

「まるでおんな手がないのも不自由だ、松尾ならそこもとも古くから知っている、遠慮はいらないから使ってくれ、本人も承知だ」

辞退したが、結局は好意を受けた。