Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふとん

蒲団

田山 花袋

Lesen Sie 蒲団 (ふとん) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.870 Zeichen · 90 Bildschirme

Aozora Bunko

こういう常識を欠いた行為を敢てして、神聖なる恋とは何事? 汚れたる行為の無いのを弁明するとは何事?

すぐ家に入ろうとしたが、まだ当人が帰っておらぬのに上っても為方が無いと思って、その前を真直に通り抜けた。女と摩違う度に、芳子ではないかと顔を覗きつつ歩いた。土手の上、松の木蔭、街道の曲り角、往来の人に怪まるるまで彼方此方を徘徊した。もう九時、十時に近い。いかに夏の夜であるからと言って、そう遅くまで出歩いている筈が無い。もう帰ったに相違ないと思って、引返して姉の家に行ったが、矢張りまだ帰っていない。

時雄は家に入った。

奥の六畳に通るや否、

「芳さんはどうしました?」

その答より何より、姉は時雄の着物に夥しく泥の着いているのに驚いて、

「まア、どうしたんです、時雄さん」

明かな洋燈の光で見ると、なるほど、白地の浴衣に、肩、膝、腰の嫌いなく、夥しい泥痕!

「何アに、其処でちょっと転んだものだから」

「だッて、肩まで粘いているじゃありませんか。また、酔ッぱらったんでしょう」

「何アに……」

と時雄は強いて笑ってまぎらした。

さて時を移さず、

「芳さん、何処に行ったんです」