Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
政宗の様子は凡べて長政に合点出来た。長政はそこで上洛する。政宗も手を束ね居てはならぬから、秀吉の招喚に応じて上洛する。氏郷は人質を返して、彼の二人が提出した証文を持参し、これも同じく上洛した。政宗が必死を覚悟して、金箔を押した磔刑柱を馬の前に立てて上洛したのは此時の事で、それがしの花押の鶺鴒の眼の睛は一ト月に三たび処を易えまする、此の書面の花押はそれがしの致したるには無之、と云い抜けたのも此時の事である。鶺鴒の眼睛の在処を月に三度易えるとは、平生から恐ろしい細かい細工を仕たものだ。
政宗は是の如く証拠書類を全然否定して剛情に自分の罪を認めなかった。溝の底の汚泥を掴み出すのは世態に通じたもののすることでは無い、と天明度の洒落者の山東京伝は曰ったが、秀吉も流石に洒落者だ。馬でも牛でも熊でも狼でも自分の腹の内を通り抜けさせてやる気がある。人の腹の中が好いの悪いのと注文を云って居る絛虫や蛔虫のようなケチなものではない。三百代言気質に煩わしいことを以て政宗を責めは仕無かった。却って政宗に、一手を以って葛西大崎の一揆を平げよと命じた。或は是れは政宗が自ら請うたのだとも云うが、孰れへ廻っても悪い役目は葛西大崎の土酋で、政宗の為に小苛い目に逢って終った。