Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
そこで、残念だが仕方が無い、小田原が潰されて終ってからでは後手の上の後手になる、もう何を擱いても秀吉の陣屋の前に馬を繋がねばならぬ、と考えた。そこで、何様である、徳川殿の勧めに就こうかと思うが、といいながら老臣等を見渡すと、ムックリと頭を擡げたのが伊達藤五郎成実だ。
藤五郎成実は立派な奥州侍の典型だ。天正の十三年、即ち政宗の父輝宗が殺された其年の十一月、佐竹、岩城以下七将の三万余騎と伊達勢との観音堂の戦に、成実の軍は味方と切離されて、敵を前後に受けて恐ろしい苦戦に陥った。其時成実の隊の下郡山内記というものが、此処で打死しても仕方が無い、一旦は引退かれるが宜くはないか、と云った折に、ギリギリと歯を切って、ナンノ、藤五郎成実、魂魄ばかりに成り申したら帰りも致そう、生身で一ト歩でも後へさがろうか、と罵って悪戦苦闘の有る限りを尽した。それで其戦も結局勝利になったため、今度の合戦、全く其方一手の為に全軍の勝となった、という感状を政宗から受けた程の勇者である。戦場には老功、謀略も無きにあらぬ中々の人物で、これも早くから信長秀吉の眼の近くに居たら一ヶ国や二ヶ国の大名にはなったろう。