Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
北条攻は今其最中であるが、関白は悠然たるもので、急に攻めて兵を損ずるようなことはせず、ゆるゆると心長閑に大兵で取巻いて、城中の兵気の弛緩して其変の起るのを待っている。何の事は無い勝利に定まっている碁だから煙草をふかして笑っているという有様だ。茶の湯の先生の千利休などを相手にして悠々と秀吉は遊んでいるのであった。政宗参候の事が通ぜられると、あの卒直な秀吉も流石に直には対面をゆるさなかった。箱根の底倉に居て、追って何分の沙汰を待て、という命令だ。今更政宗は仕方が無い、底倉の温泉の烟のもやもやした中に欝陶しい身を埋めて居るよりほか無かった。日は少し立った。直に引見されぬのは勿論上首尾で無い証拠だ。従って来た者の中で譜代で無い者は主人に見限りを付け出した。情無いものだ、蚤や蝨は自分がたかって居た其人の寿命が怪しくなると逃げ出すのを常とする。蚤は逃げた、蝨は逃げた。貧乏すれば新らしい女は逃腰になると聞いたが、政宗に従っていた新らしい武士は逃げて退いた。其中でも矢田野伊豆などいう奴は逃出して故郷の大里城に拠って伊達家に対して反旗を翻えした位だ。そこで政宗の従士は百騎あったものが三十人ばかりになって終った。