Japanische Klassiker mit Furigana
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ふきのしたのかみさま
蕗の下の神様
宇野 浩二
Lesen Sie 蕗の下の神様 (ふきのしたのかみさま) von 宇野 浩二 (うのこうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.862 Zeichen · 12 Bildschirme
或は又、アイヌ人が川に魚を捕りに行こうと思って、網をもって出かけるとしますと、それをどこかの蕗の葉の下から見付けると、早速その小さい体を兎のように走らして、やっぱり先廻りをしてその辺の川にいる魚をすっかり捕ってしまうのです。
すると、アイヌ人は「チョッ!」と舌皷を打って「又コロボックンクルさんが悪戯をしたな。仕様がない、帰ろう、帰ろう」と言って、別に腹を立てた顔もしないで、すたすたと帰って行くのです。と言うのは、前にも言った通り、悪戯好きの神様ではありますが、コロボックンクルはなかなかなさけ深い神様で、そうして人を出し抜いて取った姥百合でも、魚でも、その外何でもそれを決して自分の物にはしないで、それぞれ平等にアイヌ人たちに分けてやるのでした。
けれども、誰だって実はこの神様の姿を見た人はないのでした。歌っている声や、話をする声は誰にも聞えますが、肝心の姿は隠れ蓑という、姿を隠すものを着ていますので、誰にも見えないのです。だから、いろいろの物を持って来てくれるにしても、人の家の入口から品物だけを差し入れるようにして、そして姿を見せずに帰って行くのでした。