Japanische Klassiker mit Furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lesen Sie 薄紅梅 (うすこうばい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.133 Zeichen · 122 Bildschirme
同時に、要するに、黄色く、むくんだ、亭主の鼻に、額が打着かったに相違ない。とにかく、中味が心中で、口絵の光氏とたそがれが目前にある、ここへ亭主に出られては、しょげるより、悲むより、周章て狼狽えずにいられまい。
「飛んでもない、あなた。」
と、息も忙しく、肩を揉んで、
「宅などが、あなた、大それた。」
そうだろう、題字は颯爽として、輝かしい。行と、かなと、珊瑚灑ぎ、碧樹梳って、触るものも自から気を附けよう。厚紙の白さにまだ汚点のない、筆の姿は、雪に珠琳の装であった。
「あの、どうも、勿体なくて、つけつけ申しますのも、いかがですけれど、小石川台町にお住居のございます、上杉様、とおっしゃいます。」
「ええ、映山先生。」
お嬢さんの珊瑚を鏤めた蒔絵の櫛がうつむいた。
八
「どういたしまして。お嬢様、お心易さを頂くなぞとは、失礼で、おもいもよりませんのでございますけれど。」
この紙表紙の筆について、お嬢さんが、貸本屋として、先生と知己のいわれを聞いたことはいうまでもなかろう。
「実は、あの、上杉先生の、多勢のお弟子さん方の。……あなたは、小説がおすきでいらっしゃいますのを、お見受け申しましたから……ご存じかも知れませんけれど、そのお一人の、糸七さんでございますが。