Japanische Klassiker mit Furigana
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かいろこう
薤露行
Lesen Sie 薤露行 (かいろこう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.925 Zeichen · 40 Bildschirme
ただ君が栗毛の蹄のあとに倶し連れよ。翌日を急げと彼に申し聞かせんほどに」
ランスロットは何の思案もなく「心得たり」と心安げにいう。老人の頬に畳める皺のうちには、嬉しき波がしばらく動く。女ならずばわれも行かんと思えるはエレーンである。
木に倚るは蔦、まつわりて幾世を離れず、宵に逢いて朝に分るる君と我の、われにはまつわるべき月日もあらず。繊き身の寄り添わば、幹吹く嵐に、根なしかずらと倒れもやせん。寄り添わずば、人知らずひそかに括る恋の糸、振り切って君は去るべし。愛溶けて瞼に余る、露の底なる光りを見ずや。わが住める館こそ古るけれ、春を知る事は生れて十八度に過ぎず。物の憐れの胸に漲るは、鎖せる雲の自ら晴れて、麗かなる日影の大地を渡るに異ならず。野をうずめ谷を埋めて千里の外に暖かき光りをひく。明かなる君が眉目にはたと行き逢える今の思は、坑を出でて天下の春風に吹かれたるが如きを――言葉さえ交わさず、あすの別れとはつれなし。
燭尽きて更を惜めども、更尽きて客は寝ねたり。寝ねたるあとにエレーンは、合わぬ瞼の間より男の姿の無理に瞳の奥に押し入らんとするを、幾たびか払い落さんと力めたれど詮なし。