Japanische Klassiker mit Furigana
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くすりうりのしょうねん
薬売りの少年
小川 未明
Lesen Sie 薬売りの少年 (くすりうりのしょうねん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.438 Zeichen · 9 Bildschirme
ました。ただ、こうして歩いていて、ありがたくも、うれしくも、また悲しくもしみじみと感ずるのは、人の情けであると思いました。
少年は、その茶店から出て、おかみさんに教えられた道の方へ、荷を負って、とぼとぼと歩みをつづけたのです。
松原へつづいている小道で、一人の少女がしきりに下を向いて、なにかさがしていました。
「この松原の奥にもお家がありますか?」といって、薬売りの少年は、たずねたのです。女の子は、両手についた砂をはらって、少年の顔を見ました。
「ええ、ずっと奥の、がけの上に一軒家があってよ。」といいました。
「一軒きりですか?」
「ええ、一軒だけ、そして、たった一人だけ住んでいるの。」
「一人だけですか……。」
「先生が一人住んでいるの、変わった人なの。」
「どんなに変わっていますか?」
「そうね、よく知らないわ。おもしろい人ね。」
少女は、笑って、こう答えると、また下を向いて、なにか草をさがしていました。
「嫁菜をつんでいるのですか?」と、少年は、道ばたの青い草を見ました。
「いいえ、おんばこをさがしているの。」と、少女は、答えたのです。
「おんばこをさがして、なんになさるのですか。