Japanische Klassiker mit Furigana
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あしかり
蘆刈
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蘆刈 (あしかり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.413 Zeichen · 78 Bildschirme
わたしはあたまの中に一つ二つ腰折がまとまりかけたのでわすれないうちにと思ってふところから手帳を出して月あかりをたよりに鉛筆をはしらせて行った。わたしは、まだいくらか残っていた酒に未練をおぼえて一と口飲んでは書き一と口飲んでは書きしたが最後の雫をしぼってしまうと罎を川面へほうり投げた。と、そのとき近くの葦の葉がざわざわとゆれるけはいがしたのでそのおとの方を振り向くと、そこに、やはり葦のあいだに、ちょうどわたしの影法師のようにうずくまっている男があった。こちらはおどろかされたので、一瞬間、すこし無躾なくらいにまじまじと風態を見すえるとその男はべつにたじろぐ気色もなくよい月でござりますなとさわやかなこえで挨拶して、いや、御風流なことでござります、じつはわたくしも先刻から此処におりましたなれども御清境のおさまたげをしてはと存じてさしひかえておりましたがただいま琵琶行をおうたいなされましたのを拝聴しまして自分もなにかひとくさり唸ってみたくなりました、御迷惑でござりましょうがしばらくお耳を汚させてくださいませぬかという。見も知らぬ人がこういう風に馴れ馴れしく話しかける