Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
そせい
蘇生
豊島 与志雄
Lesen Sie 蘇生 (そせい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.974 Zeichen · 31 Bildschirme
何という残忍な眼だったろう! それに、その眼とその口とを包んだ頬の曲線はしなやかにくずれていた。心持ちたるんだ頬の肉が真蒼だったが、凡てをうち任した柔かな襞を拵えていた。額には清らかな色が漂っていた。何という信頼しきった顔だったろう! 而もそれ全体が微笑んでいたのだ。
敬助は息をつめた。彼女の笑顔が頭の中でふらりと動いたかと思うと、彼の眼には赤いものが見えた。
「あッ!」と彼は覚えず叫んだ。そして起き上った。
中西が急に彼の立ち上ろうとする肩を捉えた。
「静かにしていなけりゃ……。」
「放してくれ給え、放して!」そして彼は昏迷した眼付で室の中を眺め廻した。書棚の前に押しやられた机の上には、何やら一杯のせられて、白い布が被せてあった。床の間の軸も物置もいつもの通りになっていた。自分は蒲団の上に坐って、中西と看護婦とから肩を捉えられていた。婆さんが火鉢の側につっ立っていたが、また静に坐ってしまった。
彼は深い溜息をついた。肋膜のあたりが急に痛み出した。それでまた薄団の中に横になった。電球に被せてある紗の布が何だか不安だった。
「あの布を取って下さい。」と彼は云った。