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Japanische Klassiker mit Furigana

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いたどりとり

虎杖採り

田中 貢太郎

Lesen Sie 虎杖採り (いたどりとり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.557 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

「飛べないなんてお爺さんは弱虫ねえ、こんなとこ、何でもない事よ」

と云って、皆で老人の手を曳いたり腰を押したりして、その溝を越して前方の杉林へ往ったが、そこには虎杖が一面に生えていた。老人は酷く喜んで、いきなり五六本ぽきぽきと折って喫い、それから懐から蟇口を出して二十銭銀貨を掴みだして、

「さあ、褒美にあげるよ」

と云って、皆に一枚ずつくれた。そして、蟇口をしまいこむなり、そこへ這いつくばって虎杖を喫いだした。子供だちは老人が夢中になって虎杖を喫う容が面白いので老人の傍に立って見ていた。

その時はもう夕方で、鴉の啼声が聞え、附近が灰色になって来た。子供だちは不安になった。

「帰ろうよ」

「お母さんに叱られるわ」

そこで子供だちが帰ろうとすると、それまで子供だちの事は忘れたようにして虎杖を喫っていた老人が、不意に顔をあげて、

「わしの家は、どこだよ」

と云った。老人が変な事を云ったので、子供だちは老人が怖くなった。子供だちは後退しながら逃げようとした。すると老人は子供だちの方へ指をさして、

「きつね、きつね、きつね」

と云って体を起すなり、べたんと坐って何かに恐れるように、