Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

御茶は部屋のなかで娘が注いでいる。

「どうだね」と折の蓋を取ると白い飯粒が裏へ着いてくる。なかには長芋の白茶に寝転んでいる傍らに、一片の玉子焼が黄色く圧し潰されようとして、苦し紛れに首だけ飯の境に突き込んでいる。

「まだ、食べたくないの」と小夜子は箸を執らずに折ごと下へ置く。

「やあ」と先生は茶碗を娘から受取って、膝の上の折に突き立てた箸を眺めながら、ぐっと飲む。

「もう直ですね」

「ああ、もう訳はない」と長芋が髯の方へ動き出した。

「今日はいい御天気ですよ」

「ああ天気で仕合せだ。富士が奇麗に見えたね」と長芋が髯から折のなかへ這入る。

「小野さんは宿を捜がして置いて下すったでしょうか」

「うん。捜が――捜がしたに違ない」と先生の口が、喫飯と返事を兼勤する。食事はしばらく継続する。

「さあ食堂へ行こう」と宗近君が隣りの車室で米沢絣の襟を掻き合せる。背広の甲野さんは、ひょろ長く立ち上がった。通り道に転がっている手提革鞄を跨いだ時、甲野さんは振り返って

「おい、蹴爪ずくと危ない」と注意した。

硝子戸を押し開けて、隣りの車室へ足を踏み込んだ甲野さんは、真直に抜ける気で、中途まで来た時、宗近君が後ろから、ぐいと背広の尻を引っ張った。