Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

三国一の婿と名乗る誰彼を、迷わしてこそ、焦らしてこそ、育て上げた母の面目は揚る。海鼠の氷ったような他人にかかるよりは、羨しがられて華麗に暮れては明ける実の娘の月日に添うて墓に入るのが順路である。

蘭は幽谷に生じ、剣は烈士に帰す。美くしき娘には、名ある聟を取らねばならぬ。申込はたくさんあるが、娘の気に入らぬものは、自分の気に入らぬものは、役に立たぬ。指の太さに合わぬ指輪は貰っても捨てるばかりである。大き過ぎても小さ過ぎても聟には出来ぬ。したがって聟は今日まで出来ずにいた。燦として群がるもののうちにただ一人小野さんが残っている。小野さんは大変学問のできる人だと云う。恩賜の時計をいただいたと云う。もう少し立つと博士になると云う。のみならず愛嬌があって親切である。上品で調子がいい。藤尾の聟として恥ずかしくはあるまい。世話になっても心持がよかろう。

小野さんは申分のない聟である。ただ財産のないのが欠点である。しかし聟の財産で世話になるのは、いかに気に入った男でも幅が利かぬ。無一物の某を入れて、おとなしく嫁姑を大事にさせるのが、藤尾の都合にもなる、自分のためでもある。