Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

宗近君も自然と腰から下へ視線を移す。

「何だい、それは」

「こっちが紙屑籠、こっちが洋灯の台」

「そんなハイカラな形姿をして、大きな紙屑籠なんぞを提げてるから妙なんだよ」

「妙でも仕方がない、頼まれものだから」

「頼まれて妙になるのは感心だ。君に紙屑籠を提げて往来を歩くだけの義侠心があるとは思わなかった」

小野さんは黙って笑ながら御辞儀をした。

「時にどこへ行くんだね」

「これを持って……」

「それを持って帰るのかね」

「いいえ。頼まれたから買って行ってやるんです。君は?」

「僕はどっちへでも行く」

小野さんは内心少々当惑した。急いでいるようで、しかも地面の上を歩行ていないようだと、宗近君が云ったのは、まさに現下の状態によく適合った小野評である。靴に踏む大地は広くもある、堅くもある、しかし何となく踏み心地が確かでない。にもかかわらず急ぎたい。気楽な宗近君などに逢っては立話をするのさえ難義である。いっしょにあるこうと云われるとなおさら困る。

常でさえ宗近君に捕まると何となく不安である。宗近君と藤尾の関係を知るような知らぬような間に、自分と藤尾との関係は成り立ってしまった。