Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
わが悪戯が、己れと掛け離れた別人の頭の上に落した迷惑はともかくも、この迷惑が反響して自分の頭ががんと鳴るのが気味が悪い。雷の嫌なものが、雷を封じた雲の峰の前へ出ると、少しく逡巡するのと一般である。ただの気の毒とはよほど趣が違う。けれども小野さんはこれを称して気の毒と云っている。小野さんは自分の感じを気の毒以下に分解するのを好まぬからであろう。
「散歩ですか」と小野さんは鄭寧に聞いた。
「うん。今、その角で電車を下りたばかりだ。だから、どっちへ行ってもいい」
この答は少々論理に叶わないと、小野さんは思った。しかし論理はどうでも構わない。
「僕は少し急ぐから……」
「僕も急いで差支ない。少し君の歩く方角へ急いでいっしょに行こう。――その紙屑籠を出せ。持ってやるから」
「なにいいです。見っともない」
「まあ、出しなさい。なるほど嵩張る割に軽いもんだね。見っともないと云うのは小野さんの事だ」と宗近君は屑籠を揺りながら歩き出す。
「そう云う風に提げるとさも軽そうだ」
「物は提げ様一つさ。ハハハハ。こりゃ勧工場で買ったのかい。だいぶ精巧なものだね。紙屑を入れるのはもったいない」