Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
と問いかけた。
菓子皿を主客の間に置いて、やさしい肩を後へ引くついでに、
「ええ」と小声に答えて、立ち兼ねた。
「これは東京で育ったのだよ」と先生が足らぬところを補ってくれる。
「そうでしたな。――大変大きくなりましたな」と突然別問題に飛び移った。
小夜子は淋しい笑顔を俯向けて、今度は答さえも控えた。浅井君は遠慮のない顔をして小夜子を眺めている。これからこの女の結婚問題を壊すんだなと思いながら平気に眺めている。浅井君の結婚問題に関する意見は大道易者のごとく容易である。女の未来や生涯の幸福についてはあまり同情を表しておらん。ただ頼まれたから頼まれたなりに事を運べば好いものと心得ている。そうしてそれがもっとも法学士的で、法学士的はもっとも実際的で、実際的は最上の方法だと心得ている。浅井君はもっとも想像力の少ない男で、しかも想像力の少ないのをかつて不足だと思った事のない男である。想像力は理知の活動とは全然別作用で、理知の活動はかえって想像力のために常に阻害せらるるものと信じている。想像力を待って、始めて、全たき人性に戻らざる好処置が、知慧分別の純作用以外に活きてくる場合があろうなどとは法科の教室で、どの先生からも聞いた事がない。