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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

人望のある小野さんは、もう少しで下女に思い切りの悪るい野郎だと云われるところであった。

そこへ浅井君が這入ってくる。浅井君は京都以来の旧友である。茶の帽子のいささか崩れかかったのを、右の手で圧し潰すように握って、畳の上へ抛り出すや否や

「ええ天気だな」と胡坐をかく。小野さんは天気の事を忘れていた。

「いい天気だね」

「博覧会へ行ったか」

「いいや、まだ行かない」

「行って見い、面白いぜ。昨日行っての、アイスクリームを食うて来た」

「アイスクリーム? そう、昨日はだいぶ暑かったからね」

「今度は露西亜料理を食いに行くつもりだ。どうだいっしょに行かんか」

「今日かい」

「うん今日でもいい」

「今日は、少し……」

「行かんか。あまり勉強すると病気になるぞ。早く博士になって、美しい嫁さんでも貰おうと思うてけつかる。失敬な奴ちゃ」

「なにそんな事はない。勉強がちっとも出来なくって困る」

「神経衰弱だろう。顔色が悪いぞ」

「そうか、どうも心持ちがわるい」

「そうだろう。井上の御嬢さんが心配する、早く露西亜料理でも食うて、好うならんと」

「なぜ」

「なぜって、井上の御嬢さんは東京へ来るんだろう」